読書アウトプット記録

本から学んだ内容をアウトプットすることで自分自身の記憶に深く落とし込むことを目的としています。

「授業に子どもを無理やり乗せてしまう方法」-中村健一-

今回は久々の教育書です。

小学校の先生は毎日5〜6時間の授業をしなければなりません。

ただでさえ事務作業や学年の仕事、トラブル対応に追われている中で、一つ一つの授業に念入りに準備している時間はありません。

しかしだからといって毎日毎日単調で形式的な授業ばかりしていては子どもも飽きてきます。

何より「楽しい」と感じることは勉強にとってとても大切です。

楽しい授業をいちいち考えられる時間はない。

でも楽しい授業をしなければならない。

そこで、日々の普通の授業に一手間加えるだけで子どもが「楽しい」と感じれる授業を無理やり作ってしまおう!ということが今回の本の内容です。

学びの量がとても多かったので、今回も2回に分けて書いていきたいと思います。

 

 

○普通の授業を楽しくする方法

 

1.子どもを動かしながら授業をする

本書で書かれている内容の中で最も肝となる部分がこの「動かしながら授業する」ということです。

普通の内容の授業でも、たくさん活動していれば飽きることなく、楽しく授業を受けることができます。

ポイントは、「数秒でできる小さな活動」をとにかく一つの授業に大量投入することです。

本書で紹介されている小さな活動とは、以下のようなものがあります。

 

・立ったり座ったりする活動

「全員起立。〜と10回言ったら座ります。」

「教科書の〜の部分を見つけて指をさします。指をさした人から起立して合図してください。20秒以内に立てたらクリアです。」

 

・声に出す活動

「これを〜と言います。皆んなで言います。さんはい!」

「三角形の面積の公式は?せーの!」

といったようにとにかく声に出させます。

 

・立ち歩く活動 

「それでは2分間立ち歩いて友達と自由に意見交換してOKです。ただしその後必ずノートに自分の考えを書いてください。」

といったように、自由に立ち歩く時間を作ります。特にずっと座っていることがしんどい子どもにとっては良いリフレッシュの時間になります。

 

以上のことの他にも、「拍手をする活動」「書く活動」などがあります。

とにかくずっと座らせて話を聞くだけの授業にするのではなく、短時間で終わる活動をたくさん授業に入れること。

そうすることで、普通の授業を面白い授業へと変えることができるのです。

 

 

2.テンポを大事にする

テンポの悪い淡々とした授業だと子どもは必ず飽きてしまいます。

テンポの良さは非常に大事です。 

テンポをよくする為にはとにかくスピード重視で授業をしていきます。

具体的には、

・教師が少し早口で話す。

・全ての活動に制限時間を設け、タイマーで測る。(時間はなるべく延長しない)

・授業開始時に百ます計算をする。

といったようなことが有効です。

プリントを配ったり、一つ一つの活動をさせたりする場合にも余計なダラダラした時間を与えないことが大切です。

 

 

3.授業を小分けで構成する。

45分間一つの内容をし続けても集中力は持ちません。

授業はどれだけ内容を小分けにして、飽きを感じさせずに乗り切ることが重要です。

例えば本書では初めの10分間の活動を毎回固定するという方法が紹介されています。

例えば算数であれば初めの10分を

百ます計算

・前時の復習プリント

といった内容で固定することで、自然と

「初めの10分」➕「本時の内容10分」

と、2部制で授業を構成することができます。

とにかく、一つの同じ内容で45分続けるのではなく、なるべく内容や活動を細かく分けて45分を構成するという意識が大切です。

 

 

4.クイズ・ゲームをたくさんいれる

子どもはクイズやゲームが大好きです。

授業に入れると子どもが喜ぶのは言わずもがなです。

しかし、しっかり知識を身に付けさせようと思えば、どうしてとそのような楽しい時間を入れ込むのは難しくなります。

知識を身に付けながらゲーム感覚で学べる活動もありますが、全ての時間に取り入れようと思うと手間がかかります。

ですが、あらゆる活動をほんのちょっと「クイズ化」「ゲーム化」するだけであれば手間はかかりません。

しかもそんな少しの工夫でも子どもにとっては大きな意味を持ちます。

例えば、授業の最後に本時の確認として小テストをすることがよくあると思います。

そこで「テストをします」ではなく「クイズを出します」と言いかたを変えるだけで、子どもの食い付きは全然違ってきます。

また、教科書に書いてあるような簡単な内容でも、

「〜は〜である。○か✖️か!」

といってような楽しみながら答えられるクイズをたくさん授業に取り入れることができます。

内容より出しかたを工夫することの方が大切です。

また、学習規律をクイズで教えるという方法もあります。

例えば、

「話を聞いてない子がいるな」と思ったら、突然話の内容に関する「聞いている人だけ再開できる」クイズを出題する。

「黒板を見て下さい」と指示を出した時に、チョキのポーズで黒板を指さし、そのあとに突然じゃんけんをして黒板を見ていた人だけじゃんけんに勝てるようにする。

といったようなユニークな方法があります。

とにかく、小さなクイズやゲームを多く入れ込んでユーモアのある授業にしようという意識が大切です。

 

 

 

以上が今回の学びになります。

・何度も声に出させる

・立ったり座ったりさせる

・立ち歩かせる

・テンポをよくする

・ゲーム・クイズを多く入れる

といったことを多く取り入れることで、普通の授業が面白くなるということがよくわかりました。

これらのような活動なら、特に時間を割いて教材研究をしたり一つ一つの授業準備に力を入れる必要もありません。

その意味で今回の本では非常に役に立つ情報が多かったと思います。

次の記事では授業作りに関するその他の学びと、学級経営についての学びを紹介します。