読書アウトプット記録

本から学んだ内容をアウトプットすることで自分自身の記憶に深く落とし込むことを目的としています。

「スタンフォードの自分を変える教室」-ケリーマクゴニカル-

今回はスタンフォード大学教授のケリーマクゴニカルさんの「スタンフォードの自分を変える教室」です。

「自分を変える」といっても、この本では主に「意志力」を発揮する為の術について書かれてあります。

自分を変える為に何か新しいことを始めるにせよ、何かをやめるにせよ、そこには自分を律する強い「意志力」が不可欠です。

しかし、何か行動しようと決意しても、意志力を発揮できずつい誘惑に負けてしまうことは人間なら誰しもあることです。

例えばダイエットを決意しようとしてもつい甘い物に手が出てしまったり・・・。

禁煙を決意したもののすぐに断念してしまったり・・・。

本書ではそんな「何故誘惑に負けてしまうのか」という人間なら誰しもが抱える課題に対して、

「そもそも人の脳はこういう仕組みで誘惑に負けてしまうんだよ」

と、自分の脳の仕組みについて教えてくれます。

そしてその上で

「だからこういうときはこうしたらいいんだよ」

と、意志力を発揮する為の方法を解説してくれます。

失敗する理由を教えてくれた後、その対処法を示してくれるのでとても分かりやすい構成になっています。

それでは、その中でも特に学びになったことを紹介します。

 

 

1.自分の脳の中には3つの自分がいる。

意志力を発揮する為には、まず自分の中にいる3つの自分を認識する必要があります。

それは、「やる自分」「やらない自分」「望む自分」という3つです。

脳の中のそれぞれの部分にこの3つの自分は存在し、それぞれ「何かをやろうと決意するとき」「何かをやらないでおこうと決意するとき」「長期的な目標を意識するとき」に意志力を発揮する役目を担っています。

 

誘惑に勝つ為にはこのような脳の仕組みを理解した上で、「やる自分」「やらない自分」の2つの対立する自分を、別人として考える必要があります。

本書ではその為のユニークな方法として、

誘惑に従おうとするダメな自分に名前を付ける

という方法が紹介されています。

例えば、ダイエット中に甘い物を食べようとする自分を「デブデブ星人」、禁煙中にタバコを吸おうとする自分を「ニコチンマン」というように名前を付けるます。そうすることで、

誘惑に従おうとしてるのは対立するダメな自分であり、自分はそれに打ち勝つ賢い方の自分だ

と、認識できるようになります。

このように、自分の中には3つの自分がいることをまず理解し、その上で対立する2つの自分を意識することが、意志力を発揮する為の一つよ有効な方法になります。

 

 

2.人は「決心」と「諦め」を繰り返す

「今度こそ〜を続けよう」と決意したものの、数日後には「やっぱり明日からまた心機一転して頑張ろう・・・」と、「決心」と「諦め」を繰り返していませんか?

実はこれは脳の構造上仕方のないことなのです。

何故なら、変化をもたらす過程の中で1番脳にとって負荷が小さく幸せな気分になるのは、「何かを決意したとき」だからです。

だから脳はその報酬を求めて、「決心」と「諦め」を繰り返してしまうのです。

 

そのような脳の仕組みを理解した上で、本書では2つの対処法が紹介されています。

1つ目には、「一度決心していい思いをしたら、後は自制心を発揮して苦しい思いをするべき」と自覚することです。

何かを続ける決意だけではなく、苦しい道を選んだという決意も必要です。

2つ目には「自分がいつどういう場面で誘惑に負けてしまうのか」と予想することです。

そしてその上で想像上の失敗を成功に変える為の具体的な方法を考えます。

失敗する状況を予想し、その場合の対処法を考えることで、決意を持続できる確率が高まることが分かっています。

 

 

3.人は肝心なときに意志力が弱まる

「ダイエットを成功させて彼女を作りたい」

「禁煙を続けて健康になりたい」

人はこのような長期的な目標を強く意識していても、いざそれに抗う誘惑にかられると、目先の幸せを優先させてしまう生き物です。

これは、脳が目先の報酬を求めて、限定的に意志力を弱めてしまうからです。これを「限定意志力」と言います。

このような「限定意志力」が発揮されたとき、人が誘惑に打ち勝てる確率は、50%ほどであると言われています。

つまり誘惑にかられる度に自分の意思だけで打ち勝とうと思っていても、確率的に無理があるということです。

人は決意を持続できないようにできているのです。

 

ですが、「自分は50%の確率で誘惑に負ける」と自覚できたからには、対策を考えることができます。

意志力を発揮させる為に1番重要なことは、

事前に手を打って逃げ道を無くす

ということです。

このことについて本書では、

「誘惑にかられた自己は全くの別人だと思い、行動を予測して事前に手を打たなければならない」と述べられています。

まず、「するべきことに関してはしなければならない状況を作る」ことで手を打ちます。

例えば、ダイエットを成功させたければ、

「〜月までに体重が〜キロを切らなければ1万円払うと友達に約束する」

「お菓子を買うのではなくナッツを買いだめしておく」

「ジムに長期契約してしまう」

といったことが挙げられます。

また、「してはいけないことに関してはできない状況を作る」ことで手を打ちます。

例えば、

「誘惑にかられる対象を視界から隠す」

「誘惑の対象に辿り着くまでの手順を増やす」

といったことが挙げられます。

また、「してはいけないこと」は、とりあえず10分待ってみるということも有効であると述べられています。

とにかく、「一度誘惑にかられてしまえば自分の意思だけでは対抗できない」

ということを自覚し、意志力が発揮されている内に誘惑に対して手を打つ

ことが、目標に向けて決意を持続させる上で最も重要かつ有効な方法になります。

 

 

4.「自分2.0」になりきる

「as-ifの法則」という心理法則があります。

これは「何か美徳を身につけたければ既に身についたように振る舞えばいい」というものです。

「幸せになりたい」と思えば、あたかもすでに幸せになったかのように振舞うことで、脳は本当に幸せになったと認識していきます。

つまり、意志力を強めたければ、既に「意志力が強くなった自分」であるかのように振る舞えばいいのです。

今の自分を「自分1.0」とするならば変わった自分を「自分2.0」とします。

「自分2.0」は鉄の自制心を持ち、どんな仕事も素早く片付けます。物事を先延ばしにすること、誘惑に負けることは絶対にありません。

こんな誰しもが憧れる「自分2.0」になりきるのです。

すると不思議なことに、脳は勝手に「自分2.0」に近づいていってくれます。

このように、「高い自己イメージ」を持ち、既に変化したかのように振舞うことで、日々の行動を一つずつ変えていくことができます。

 

 

 

 

以上が本書での学びになります。

本書を読み痛感したことは、

「人は誘惑に負けるようにできている」

ということです。

なので、そのような脳の仕組みに真っ向から歯向かうのではなく、少し考え方を変えたり、事前に手を打ったりと工夫することで「意志力」を発揮して自分を変えることができるということがよく分かりました。

これからは本書で得た学びを一つずつ実験的に実践していく中で、高い意志力を持った自分へと成長していきたいです。