読書アウトプット記録

本から学んだ内容をアウトプットすることで自分自身の記憶に深く落とし込むことを目的としています。

「授業のユニバーサルデザイン入門」ー小貫悟・桂聖ー

◎授業のユニバーサルデザインとは

 発達障害の有無や学力の差に関わらず、全ての子供が授業に参加し活躍できることを目指した授業の在り方のことです。本書ではそのための技法について書かれてあります。

 

◎環境を整える。

 環境を整えるとは、簡単にいうと「整理整頓」であると述べられています。

整理整頓された環境では、集中力がアップするのは大人も同じです。特に、発達障害のある子供は、散らかった環境では落ち着かなかったり集中がそれやすかったりしてしまいます。そこで、教室内で物の置き場所を決め、「何がどこにあるのか」が一目で分かるようにします。また、ロッカーや掃除用具置き場などは、整理整頓された状態の写真を貼っておくと、理想的な状態が一目で分かるようになります。

 さらに、学習環境を整えるという意味では、余計な刺激を排除することも大切です。

発達障害のある子供は感覚が過敏なことが多く、目に入るものや周囲の音が気になりやすい特徴があります。そこで教室前方の掲示物は極力少なくして黒板に集中しやすいようにしたり、椅子の足にテニスボールを付けて、音を抑えたりする配慮が有効になります。

 

◎様々な感覚を通して理解させる。

 発達障害のある子供には、認知に偏りがあることがよく見られます。例えば視覚優位の子供は、話を耳で聞いているだけでは内容をイメージできないことがあります。反対に聴覚優位の子供は音声言語での情報があった方が理解がしやすくなります。そういった子供に対応するためにも、授業では視覚・聴覚両方から理解できるような指導が必要です。

 また、目と耳だけではなく、「手で実物を触らせる」「登場人物の行動を実際にやってみる」など、様々な感覚を通して理解できるようにさせるとより効果的です。

 

◎山場を決める

 山場とは、その授業で達成させたいねらいについて子供が「ああ、そういうことか」と感じることができる瞬間のことです。授業づくりはまずその山場を決めるところから始めるべきだと述べられています。

 それはなぜかというと、山場から決めると授業の内容が焦点化されるからです。発達障害の子供は、授業の中で入ってくる情報や考えることが多すぎると、情報過多になりついていけなくなってしまいます。UD化された授業では、ねらいを1つに絞り、シンプルな授業にする必要があります。

 そこで、子供の立場から授業の山場を決め、それを達成させるための展開、導入を考えていくことで授業のねらいが焦点化されたシンプルな授業をつくることができます。

 

◎その他

・行動の原因にアプローチする。

 子供の問題行動に対する対応としては、2つの種類があります。1つは事前対応で

もう1つは事後対応です。事前対応とは、行動の原因になっているものを排除したり、その問題行動が起きないように事前に配慮をしたりすることです。それに対して事後対応とは、注意をしたりクールダウンを取らせたりするなど、行動が起きた後に対応をすることです。両方大切ですが、本書では事前対応の大切さが述べられています。子供の行動を分析してみて、「いつもこのときに問題が起きているな」と思ったら、その原因自体をなくせるように努力をしてみるのです。

 

・「分からない」と言えない子への対応

 ユニバーサルデザインの考え方では、安心して「分からない」と言える環境づくりが大切です。ですが、中々先生に質問できなかったり、分からないことを言えなかったりする子供もいます。そんな子供に対するアイデアとして「ヘルプカード」が紹介されていました。「困っています」と書かれたカードを用意し、「分からなかったり困ったりしたらこのカードを机に置いておいてね」と言っておきます。そうすると、「先生分かりません」と先生に言うよりも、ずっと低いハードルで助けを求めることができるようになります。

2022⑥「特別支援学級感動の学級作り」ー小野隆行ー

特別支援学級での授業作りや、学級経営、子どもとの関わり方、

子どもの情緒を安定させるためのシステム等について書かれています。

 

 

1.授業システム

① 授業開始を待たない。

よく「全員がそろうまで授業開始を待つ」場面がありますが、

チャイムに間に合っている子どもに空白の時間を与えることになります。

準備ができている子からチャイムと同時に授業を始めることで

子どもは見通しをもつことができ、授業が安定します。

 

②常に体感させて理解させる。

特に発達障害の子供はイメージする力が弱いので、

体感することで初めてしっかりと理解することができます。

例えば、子どもが集中している状態のときに、

「これが集中しているというんだよ」

と教えてあげます。

すると子どもは初めて「ああそういうことか」と

理解することができます。

向山氏の有名な跳び箱指導法も、体感させながら指導をしています。

「体感が伴っているか」という視点で自分の指導を見つめなおしていく

ことが大切です。

 

➂刺激を減らす

発達障害の子どもは視覚・聴覚といった刺激に弱いです。

選択性注意という力が弱く、たくさんの情報の中から

必要な情報に注意を向けることが苦手だからです。

教室前方の掲示物をすっきりさせるといわれるのはそのためです。

黒板や資料は大事なところが一目で分かるように

なるべくシンプルにすることが大切です。

また教師の言葉も聴覚的な刺激になります。

よって教師の言葉もなるべく減らしていくことが求められます。

「必要以上にしゃべらない」ことで子どもは落ち着きます。

 

2.教師の指導

①まず気持ちに同意する。

気持ちが乱れている子どもにどんな正論を語りかけても

子どもの脳には届きません。

なのでまずは気持ちを聞き出し、共感をして

落ち着かせます。

そしてその後に指導をするようにします。

 

②常に笑顔でいる。

教師の笑顔は子どもに安心感を与えます。

何があっても常に笑顔で子どもと関われるのが

プロの教師だと思います。

子どもが反抗しても指示に従わなくても穏やかに笑顔で

接するということが、子どものの情緒の安定につながります。

 

➂怒鳴らない。

大きな声で子どもを威圧するような指導をしても、

子どもに言葉は届きません。

ただ、「怒鳴られた」という印象が強く残るだけです。

特に支援学級に通う子どもたちは自己肯定感が低くなりやすい

ので、なるべく自尊心を傷つけない指導をすることが大切です。

怒鳴るのではなく、毅然とした態度で

「~はよくないよ」「~はよくないから謝ります」

と伝えることが大切です。

 

3.その他

①学習道具に注意する

コンパスや分度器など、子どもが使う学習道具には、

子どもにとって使い辛いものがよくあります。

例えば、

無駄に線が多い分度器

ネジがゆるく直ぐに曲がってしまうコンパスなどです。

手先が不器用な子供たちにとっては、

このような道具は学習の妨げになってしまいます。

そのことをしっかりと保護者に伝え、

使いやすい道具を用意することが大切です。

 

セロトニン5を意識する。

セロトニン5とは、子どもに安心感を与えるための

教師の5つの関わり方のことです。

・見つめる

・微笑む

・触れる

・褒める

・話しかける

といったかかわり方をすることで

子どもの脳にセロトニンという幸せを感じるホルモンが

分泌され、安心感を与えることができます。

 

➂子どもの立場に立つ

支援級に通うような子どもは、他の子どもと比べて

「できないこと」や「辛いと感じること」が多いです。

例えば、

・たくさん人がいるのが辛い

・じっと座って話を聞いているのが辛い

・次に何をするか分からないのが辛い

といったことがあります。

だからこそ常に、

・子どもがどんな気持ちでやっているのか

・今どういう状態なのか

・何が子どもにとって一番成長につながるのか

と、子どもの立場に立って考えて関わることが大切です。

例えば、

「授業は45分間参加するもの」ということが

全ての子どもにとって成長に繋がるとは限りません。

集中が持続し辛い子にとっては苦痛にしかならない場合があります。

そういう子にとっては、まずは

「30分間頑張ったら残りの15分は休憩してもいい」

とハードルを下げ、少しずつ参加できる時間を延ばしていく

といったようにスモールステップで環境作りをしていった方が

成長に繋がるのです。

このように、「子どもが何に困っていて、どういう環境が一番

子どもの成長に繋がるのか」と考えていくことが

特別支援学級において一番大切になるのではないかなと思います。

 

 

 

2022⑤「策略 ブラック授業作り」ー中村健一ー

教師は年間1000時間の授業を行います。

そして公務分掌や保護者対応などたくさんの仕事を抱えています。

その中で1つ1つの授業をしっかりと準備して、

面白い授業を作っていくはとても難しいことです。

しかし、授業がつまらないと子供が荒れる要因になってしまいます。

また確実に子供に学力をつけないといけません。

そこで本書では日々のつまらない授業に少し工夫を加えることで

子供を授業にノせていく方法が書いてあります。

 

前提として、子どもはじっと座って話を聞いているのが嫌い!

まずはこのことを前提として頭に入れておく必要があります。

そこで著者の中村先生は、

「とにかく子どもを動かせ」と述べています。

ずっと座って話を聞かせるのではなく、

細かな活動を入れていくのです。

例えば、

・「今日は森林の働きについて勉強します。さんはい。」子供「森林の働き!」

・「教科書を開きます。開いたら立ちます。」

・「全員起立。植物が発芽する条件を3つペアで確認したら座ります。」

といったような指示で、声に出させたり活動させたりしていきます。

そうすることで子どもは飽きることなく授業に参加することができます。

また子供の「全員参加」も促すことができます。

 

子どもを監視する。

授業で子どもに力を付けるためには、「さぼらせない」ことが

大切です。

しかし、子どもは楽なほうに流されていくので緩い指導をしていると

どんどんさぼるようになっていきます。

そうならないためには、

「やっているか見る」

そして、

「やっていない子は叱る」「やっている子は褒める」

ことが大切です。当たり前のように思いますが、

「最近の若手は子どもが見えてなさすぎる」と中村先生は言っています。

確かに言われてみると、授業を進めることに精一杯になり、

子どもの活動の様子が見えてないことがあるかもしれません。

中村先生は子どもへの指導は、

「フリ・オチ・フォロー」の3つから成り立っていると表現しています。

フリとは指示、オチとは子どもの行動、フォローとは教師の対応です。

指示をしたら、子どもがやっているか見る。そして、

やっている子は褒める、やっていない子は叱る。

この当たり前のことを徹底して行っていくことが大切です。

そのためにはまず教師が「子どもをよく見る」ということが求められます。

また、「まだできていない子がいる!あと3人!」といったように

「先生はさぼりは許さない」と子どもに思わせることも重要です。

 

ゲーム感覚にする

指示はゲーム感覚にすると子どもが乗ってきます。

例えば、

・「教科書を開いたら立ちます。~さん一番!」というように競わせる。

・「写真を見て分かることを書きます。10個以上で合格!」

・「先生より速くめあてを書けたら勝ち!」

といったような感じです。

また、このような、ネタをたくさん仕入れることも

教師力向上に直結することであると思います。

 

たくさん褒める

叱ることには子供の反発や自己肯定感を失わせてしまうというリスクが

伴いますが、褒めることはリスク0です。

とにかくたくさん褒めて損はないと思います。

褒めるときは、名前を読んで褒めると子供は喜びます。

○○さんえらい!

○○さんすごい!

といったように名前を付けてたくさん褒めていきたいです。

 

全員参加を促す

「発問→挙手→指名」方式では、一部のできる子だけで授業が

進んでいくことになってしまいます。

そうではなく、

「発問→指示→活動→指名」方式にして、

発問したら必ず全員に活動をさせます。

そして列指名などで答えさせます。

また自分の意見を持ちにくい子供もいるので、

まずは「〇か×かノートに書きなさい」といったように、

選択肢を与えて必ず自分の意見を持たせることも大切です。

繰り返しになりますが、発問をしたら全員に活動をさせる

ということを意識したいです。

 

その他細かい教育技術

・指示の終末を示す。

→例えば「書いたら鉛筆を置きます。」というように「終わったら何をするか」

 を示すことで子どもが「早くしないと」という意識になります。

・「○○な人がエライです。」という言葉がけで子どもをノせる。また

 「どうしたら褒められるのか」ということが子どもに分かりやすい。

 

 

以上が本書の内容です。

中村先生の本は具体的なのでとても勉強になります。

1つ1つ身に付けていきたいです。

 

 

 

2022④「困り解消 算数指導ガイドブック」

特別な支援を要する子供に対する算数指導の方法について書かれています

「こういう子には、こういう指導をしよう」

と具体的なケースに基づいて書かれているので

実践しやすい内容になっています。

しかし本書では具体的な指導方法よりも、

算数で困っている子どもに対する基本的な考え方のところが学びになりました。

以下紹介します。

 

特別支援教育こそ教育の原点である

特別支援教育こそ教育の原点である」といいます。

その理由は、

子供をしっかりと観察して理解し、

その子にあった支援をし、

成長させる

のが特別支援教育の世界だからです。

つまりそこに関わる教員には、

子供を成長させるための

「深い子供理解」「適切な指導・支援」

が求められます。

そのためにはまず、子どもをしっかりと見る

ということが大切です。

一人ひとりのことをもっとよく見ていきたいです。

 

大変な子を受け持ったと思わない。

「大変な子を受け持った」と思ってしまうとその時点で

自分が困っている側になり、子どもの「困り」に目を向けることができなく

なってしまいます。

確かにその通りです。

子供の問題行動に対しては、

「何故その行動をとるのか」という理由を理解しようとすることが大切です。

そこに子供の「困り」が隠れていると思います。

プロの教育者として、その「困り」の部分に手を打てるようになりたいです。

 

算数における子どの困りを探す3つの視点

①視覚

言葉だけではイメージが持ちにくい子供がいます。

支援を要する子供には、「視覚的に理解させているか」と

考えて、文章題や計算の仕組みなどを視覚的に理解させることが大切です。

 

②活動

算数において、「どんな活動をするか」ということはとても重要です。

特に支援を要する子は、具体物を操作するなど

実際に体験をすることで理解をしやすくなる子が多いです。

活動内容によって子供が困っていないかと考える視点が大切です。

 

➂道具

手先が不器用な子供にとっては、

定規で長さを測る

コンパスで円を書く

分度器で角度を読み取る

といった作業は、ときに大変困難なものになってしまいます。

道具の扱い辛さが障壁となって意欲を失ってしまわないように、

・使いやすい道具を与える(保護者の協力が必要)

・道具の扱い方を教える

・困り感をなくせるように道具に工夫を加える

といったことが大切です。

例えば、定規で長さを測るときにどうしても定規がズレてしまうような

子供に対しては、定規の裏に修正テープを貼ると、

ズレにくくなります。

このような一工夫によって子供のストレスを減らしていくことが大切です。

 

 

以上のような基本的な考え方がとても勉強になりました。

一人ひとりの子供をもっとよく見て、

成長させるという目的のために

子供の困り感を一つずつ減らしていきたいと思いました。

 

 

 

2022➂「エフォートレス思考」ーグレッグ・マキューンー

ベストセラー「エッセンシャル思考」の著者

グレッグ・マキューサンの第二作目の本になります。

前著「エッセンシャル・思考」では、「より少なく、しかしより良く」

をテーマに、多くの無駄をそぎ落とし、本質的なことにだけ力を注ぐことの

大切さについて書かれていました。

本書の冒頭では、「本質的なことが多すぎる場合はどうすればいいのか」

という実際にグレッグ・マキューンさんが直面した問題から紹介されます。

そこで本書のテーマである「なるべく労力を減らして楽に成果を出す」

という考えにつなげられていきます。

以下本書の学びを紹介していきます。

 

エフォートレス思考とは

エフォートレス思考とは、「楽に成果を出す思考」です。

「同じ成果なら労力が少なければ少ないほどいい」と

グレッグさんは言います。その通りだと思います。

仕事において、目的は「成果を出すこと」であり「頑張ること」ではありません。

日本人は「時間をかけて一生懸命頑張る」美徳にとらわれすぎていると思います。

同じ成果なら、かかった時間が少なければ少ないほど、

余った時間やエネルギーを他の大切なことに注ぐことができます。

「もっと簡単に、楽にするにはどうしらいいか?」という問いを

もつことが、「エフォートレス思考」のスタートです。

 

頑張れば成果が出るとは限らない。

頑張っても頑張っても成果が出ないときがあります。

「どうしてこんなに時間をかけてるのに成果が出ないんだろう」

そんなときはやり方を変える必要があります。

正しい努力をしているか?という問いをもつことが大切です。

 

手順を極限まで減らす

何事も複雑にしすぎるのはよくないです。

仕事があるときには、

「目的から逆算して、目的を達成するために最低限必要なステップは何か?」

と考えます。

無駄な努力を避け、一度「0」から考えて、

必要最低限のステップを積み上げていくのです。

説明をするときにも同様のことが言えます。

無駄が多い話は聞いていてしんどいです。

「何を伝えたいのか」ということから考えて、

それを伝えるための最低限のことに話題を絞って話をするようにします。

何事もシンプルにです。

 

問題をごまかさない

人はどうしても先延ばしをしてしまう生き物です。

小さな問題を「今度しよう」「後でしよう」と先延ばしにしてしまい、

問題が大きくなってきて初めて慌てて動き始めます。

ですが小さいうちに手を打てばすぐに解決できたことが

大きくなってから取り組むと何倍もの労力がかかってしまいます。

先延ばしにせずに、すぐに行動することが大切です。

例えば学校においては「いじめ問題」が例として挙げられます。

「いじめの芽」を見逃して問題が大きくなると

管理職や保護者も絡んだ学校レベルの大問題になります。

何事も小さいうちに手をうつ習慣をつけることが長期的な

余裕を生み出すのです。

 

繰り返される問題をごまかさない

私は職場のデスクの引き出しがパンパンになってしまっており、

ファイルを取り出す度に力を入れて引っ張らないといけない

状況になっていました。またしまうときも隙間を開けて

押し込まないといけないので、小さいことですが

取り出したりしまったりする度にストレスを抱えていました。

そしてその状況を何と約1年ほど続けていました。

本書では引き出しにネジが挟まっていて開ける度にがたがた

しないといけない

というように同じ例が紹介されていました。

そして本書の例でも私の例でもその問題を解決するためにかかった

時間は僅か5分ほどでした。

その5分時間をかけたことによってその後の何度も繰り返されていた

ストレスから解放されたのです。その後はファイルを取り出す度に

想像以上にストレスがかかっていたんだなと感動しました。

このように人は数分立ち止まったら解決できるような問題でも

目先の仕事を1分でも早く片付けることに集中して

先延ばししてしまう生き物です。ですが少し立ち止まって

数分作業するだけで後の何百回も繰り返される問題を解決できることが

あるのです。

 

人生は思うほど複雑でも困難でもない

生きていると色々なことがあります。

絶望をしてしまうような不幸な出来事もたくさん起こります。

しかし何が起こっても、

「軽い道」と「重い道」のどちらかを選択できる自由があると

グレッグさんはいいます。

「軽い道」とはポジティブに考える道です。

どんな問題や不幸な出来事が起こっても、

「これから何ができるか」「何かここから学べることはないか」

とポジティブに考えます。

「重い道」とは、ネガティブに考える道です。

出来事に対して

「絶望だ」「人生終わった」「もうできることはない」

と全てを重く受け止めます。

本当に不幸な出来事が起こったときには後者が人間の正常な感覚だと思います。

ですが「重い道」には不幸な未来しか待っていませんが

「軽い道」には希望があります。

起こった出来事は過去に戻って変えることができないのです。

何が起こっても希望をもちポジティブに変えて

一度きりの人生をなるべく楽しく生きていきたいものです。

 

 

以上が本書の学びです。

・「どうやったら楽にできるかと考える」

・問題を先延ばしにしない

・繰り返される問題から目を背けない

・できるだけシンプルに考える

・何が起こっても「軽い道」を選ぶ

ということを意識していきたいです。

2022②「なぜ、あなたの仕事は終わらないのか」

時間術について書かれた本です。

効率化や時短化のテクニックというよりは、

仕事や時間との向き合い方について書かれた本です。

 

ロケットスタート時間術」

作者が「ロケットスタート時間術」と呼んでいる

仕事術が、本書で最も重要な内容になります。

というよりかは基本的にそのことについてしか書かれてません。

ロケットスタート時間術」とは、簡単にいうと

「10日で終わる仕事があれば最初の2日で8割終わらせる。」

というものです。

文字通りロケットスタートをきるのです。

分かりやすい例えとして夏休みの宿題が挙げられます。

まず、最後の最後まで宿題を先延ばしにすることで、

頭の中に「宿題やらないとなあ」というタスクが常にチラつくことになり、

夏休みを思い切り楽しむことができません。

またいざ最終日になってやろうとすると、

思っていたよりも時間がかかる課題や、前もって準備が

必要な課題があったことが判明し、結果的に徹夜で取り組んでも

終わらなかったという事態になる可能性があります。

反対に、序盤に手をつけ、ほとんどの宿題を終わらせようとすることで、

「どのくらいの量があるのか」「どのくらい時間がかかりそうか」

「準備が必要な課題はあるか」

ということが分かり、余裕をもって対応することができます。

また残りの夏休みの期間を、気持ちに余裕をもって思い切り楽しむことができます。

同じことが仕事でもいえます。

何か大きい仕事を任されたときに、

「締め切りはまだ先だからまだ考えなくていいか。」

と思っていたら、いざ締め切りが近くなったときに意外に時間がかかることが

分かって周りに迷惑をかけたり、事前に準備しておかないといけないことが

分かって支障をきたしてしまったりということがあります。

そういった事態を避けるために、

「仕事がふってきたら、序盤で8割終わらせておく」

という考えが大切になるのです。

またその際に細かいところに気を配りながら取り組むのではなく、

時間に余裕があることを活かして、大雑把でいいので

最後まで終わらせることが大切です。

「完璧を目指すとりまず終わらせる」という言葉をどこかで

聞いたことがありますがまさにその通りだなと思います。

 

まとめると、

 

「締め切り前に全力を出そう」

ではなく、

「最初に全力を出そう」

 

「細かいところに気を配りながら緻密に積み上げていこう」

ではなく、

「まず終わらせてそこから細かいところを考えていこう」

 

そうすることで、

速く質の高い仕事を締め切りに必ず間に合わせることができる。

 

ということになります。

とにかく前倒しで仕事に取組み、

高い成果を生み出していけるようにしたいですね。以上!

 

2022①「特別支援教育のノウハウを生かした学級作り」

現在通常学級の中にも10人に1人の割合で

特別な支援を要する児童が在籍していると言われています。

また特別支援教育の指導方法は、発達障害の有無に関わらず

全ての子どもに有効的な指導方法であるとも言われています。

何故なら発達障害の子どものもつ特性は、大なり小なり誰もがもつ

特性でもあるからです。

そこで本書では通常学級でも特別支援学級でも使える、

特別支援教育の視点を生かした子どもとの関わり方や、

指導法について書かれています。

 

1.問題行動への対応

通常学級でも支援学級でも子供の気になる行動に出会う場面がたくさんあると思います。

例えば、

・思い通りにならないことがあったら教室から出ていく。

・授業中に勝手なおしゃべりや発言がある。

・友達とトラブルになるとすぐに手が出てしまう。

そんな様々な問題に対して、本書では一貫して次のような考え方が大切であると書かれてあります。

①効果のない指導方法は変える。

問題行動がずっと続くようであれば、指導方法や関わり方が間違っているという

ことです。結果に注目して、子どもの行動が変わらないようであれば

今している指導方法を見直して、別の方法を試すということが大切になります。

②「~しない」よりも「~しよう」

例えば、授業中おしゃべりをしている子に対して、

「おしゃべりはやめなさい」と注意するよりも、

「教科書のここを読んで」や「前に来てちょっと手伝って」など、

別の行動を促しておしゃべりをやめられるようにします。

そして指示通りにできたら「ありがとう」「よくできたね」と褒めるのです。

このように気になる行動1つ1つに注意していくのではなく、

代わりになる望ましい行動を促して褒めるようにしていくことで、

子どもの自己肯定感を高めながら良い行動を増やしていけるようになります。

➂応用行動分析学の考え方

これが本書で一番何度も繰り返して言われていた重要な考えであると思います。

応用行動分析学とは、

子どもの行動が環境との相互作用によって強化されたり消去されたりするという考え方のことです。

分かりやすくいうと褒めた行動は増え、褒めなかった行動は減っていくということです。応用行動分析学では、子どもの行動の前後に着目します。

例えば、

 

勉強が分からない→暴れる→先生が優しく慰めてくれる

 

というケースでは、「暴れる」ことによって、先生が優しく慰めてくれるという

プラスの反応を得ることができているので、今後も

難しい問題に出会った際にこの子は「暴れる」という行動をとることになります。

一方で、

 

勉強が分からない→暴れる→別室に連れていかれて落ち着くまで一人でクールダウン→クールダウンできたことを褒められる

 

という対応を取った場合では、「暴れる」という行動には反応せず、

クールダウンできたことに対して反応しているので、暴れる行動は減り、

クールダウンするという行動が増えていくことになります。

 

このように気になる行動には、

「何が原因か」「その行動によって、何を得ているのか」

というように前後に着目して対応を考えることがとても大切です。

そして、良い行動に注目して悪い行動は無視する

ことを一貫して続けていくことで、良い行動を増やしていくのです。

 

2.その他の細かい学び

①指導も褒めも、「何のためにしているのか」ということも明確にして、

子どもにそれを伝える。

②意地でも子どもを褒める。何を褒めるのか事前に考えておく。

➂問題行動を起こさせないために、活動の前には必ず「どんな行動が望ましいのか」

ということを事前指導しておく。

 

以上が本書の学びです。

特別支援に関する本には、ほとんど100%の確率で

応用行動分析学の話が登場してきているように感じます。

それほど特別支援教育の世界で注目されている指導方法なんだと思います。

シンプルに、

・良い行動は注目

・悪い行動は無視

・悪い行動によってその子が得をしていないか

・悪い行動の原因は何か

という考えを意識して子どもと関わっていけるようにしたいと思います。