「1分で話せ」-伊藤洋一-
今回は最近話題のこの本です。
伝えたいことを端的に相手に伝える為のロジカルな話し方について書かれてあります。
本書の冒頭で書かれていたのですが、人はほとんど他人の話をちゃんと聞いていないそうです。
たしかに言われてみれば、誰かが前で話しているとき、その人の話を最初から最後まで集中して聞いているということはほとんどないような気がします。
だからこそ、大事なことだけ端的に相手に伝える力
「1分で話す力」
が必要だということが本書のテーマです。
それでは内容を簡単に紹介します。
「主張」「根拠」「具体例」の3段ピラミッドで話を構成する
この3段ピラミッドで話を構成し、1分で伝えるということが本書の結論になります。
ポイントは、
聞き手の右脳と左脳を刺激する
ということです。
右脳とは脳の右側部分で、イメージの理解を司る部分、左脳とは脳の左側で論理的な理解を司る部分です。
人は、この2つの脳を刺激されることで話を内容を理解し易くなるそうです。
この3段ピラミッドの構成では、上の2段の「結論」と3つの「根拠」が左脳を刺激する論理。
下の具体例(事実)が、右脳を刺激するイメージを持たせる役目を担っています。
つまり、話したい内容を
まずは
「主張」+「根拠」でロジカルに伝え、
その上で
「具体例」を紹介しイメージを持たせる
という構成で話すことが、1分で的確に伝える為の方法になります。
具体例にどのように話せばいいのか
本書では、3段構成のそれぞれを具体的にどのように話せばいいのかということについても紹介されています。
1.「主張」はゴールを考える
話の初めに持ってくる「主張」は、
自分がこの話をする上でのゴールは何か
ということを考えます。
ゴールとは、大抵の場合「理解してもらうこと」よりも、その先の聞き手の行動、この話を通して「どう動いてもらいたいか」にあると思います。
つまり、
「この話を通してどう動いて貰えればゴールか?」
という問いに対する答えを、話の冒頭「主張」に持ってきます。
2.理由は3点で示す
「主張」のあとに、
「理由は3点あります」
と予め提示しておいて話すようにすると聞き手がグッと集中して聞くのが分かるそうです。
3点ではないにしろ、
「理由は1つです」
「理由は2点あります」
など、ポイントを絞り、初めに点数を提示することが端的に話す上で有効です。
3.イメージを持たせるには、「例えば〜」・「想像してみて下さい」・具体物を使う
3段目の「具体例」で聞き手にイメージを持たせる有効な方法として、本書では3点紹介されています。
1つ目は
「例えば〜です。」
と具体例を示す話し方。
2つ目は
「想像してみて下さい」
と具体的なイメージを持たせる話し方。
3つ目は、実際に話に関係する具体物を示すという話方です。
プレゼンテーションを使って話す場合は、話に関連する写真などを用いるのも有効だと思います。
ポイントは、
「イメージ」を持たせる
ということです。
「主張」と「根拠」で論理的に伝えたあとに具体的なイメージを持たせることで、聞き手はグッと話を理解しやすくなります。
以上の3点を踏まえた上で具体的な話し方をイメージすると以下のようになります。
結論は「〜」ということです。
理由は3点あります。
1つ目は「〜」です。
例えば、「〜」のような場面が挙げられます。
2つ目は「〜」です。
例えば、・・・・(以下省略)
このようにまとまった話し方で話してもらえると、聞き手も理解しやすく有り難いと思います。
以上が本書の内容です。
内容は至ってシンプルだと思います。
最初に「主張」次に「根拠」を示し、ロジカルに伝える。
その上で「例えば〜」「想像してみて下さい」といった話し方や、具体物を提示することでイメージを持たせる。
この
「主張」「根拠」+「具体例」
という構成で、話を構成することが、「1分で伝える」というビジネスマンに必須のスキルになるのです。
人前で話をするときはこの3段構成で話すことを意識し、習慣として自然に実行できるようにしていきたいです。