「隠れたカリキュラム発見・改善ガイド」横藤雅人
隠れたカリキュラムとは、
教師が意図しないところで子どもが勝手に学習してしまうカリキュラム
のことです。
例えば、
教師がいつも授業の終了時刻を守らない
→時間はいい加減に守るものなんだ
といったように子どもは教師が思っている以上に、教師の言動や行動、また学校環境から色々なことを学び取っていきます。
隠れたカリキュラムは学級崩壊と非常に深い繋がりがあります。担任の先生の日々の小さな言動や行動が、子どもへの隠れたメッセージとなり、そこから荒れへと繋がっていきます。
今回の本では学級経営における隠れたカリキュラムに目を向け、荒れの芽を予防していくことで、学級の安定を目指そうという内容です。
以下主要な学びになります。
1.やんちゃ君との勝負は絶対に負けない
学級経営をしていく上で、教師の発言力を維持していく為には、子どもとの勝負には絶対に勝たなければなりません。
やんちゃ君との勝負となれば尚更です。
教師がやんちゃ君に負けるということになれば教師の立場が一気に弱まっていまいます。子どもは「先生には従わなくてもなんとかなる」ということを学び取り、事あるごとに反発してくるようになるかもしれません。
そのような事態を避けるためには、全体の場で指導する際に教室全体を味方に付けることが有効です。
やんちゃ君に指導をする場面でも、「〜は絶対にしてはいけません。皆んなもそう思うよね?」と全体に問いかけ味方に付けることで、確実に勝負に勝つことができます。
これは「ブラック学級づくり」にも同じようなことが書かれてありました。
2.一度言ったことは絶対に実現する
例えば授業開始時、クラスがザワザワしている場面で、教師が「静かにしなさい!」と注意しました。
しかし、一度の注意では全体まで通らずまだ少しザワついていたとします。
ここで教師がそのまま授業に移ってしまうと、子どもは「先生の注意は聞かなくても大丈夫」ということを学び取ってしまいます。
そうなると、次に同じように注意した場面でも子どもは確実に言うことを聞かなくなります。
そうならない為には、一度言ったことは絶対に実現するというルールを厳守しなければなりません。
一度「静かにしなさい。」と指導したら静かになるまで妥協しない。そうすることで、「先生の注意には早めに従った方がいい」というメッセージが子どもに伝わることになります。
3.「大体」ではなく「完全に」
これも先程の内容と少し被りますが、
例えば「静かにしなさい!」と注意した場面で、「完全には静かになっていないけど大体静かになったからいいか」と甘くみてしまっていると、
「先生の注意は聞かなくてもなんとかなる」と子どもは学び取ります。
「これくらいはいいか」という少しの甘さが荒れに繋がっていくということを心得ておかなければなりません。
以上が本書で得た主な学びです。
とにかく、「教師が思っている以上に子どもは多くのことを学び取っている」ということを常に意識し、言動や行動を考えていくことが大切だと思いました。