読書アウトプット記録

本から学んだ内容をアウトプットすることで自分自身の記憶に深く落とし込むことを目的としています。

「策略ブラック学級づくり」中村健一

学級経営をしていく上で、常に策略を練り子どもと接することで安定した学級づくりをしていこうという本です。

数十人の個性豊かな子ども達が集まった集団を統率し動かしていく為には、そのときの感情に任せて行動するのではなく、常に冷静に、策略を持って行動していくことが大切であるということがよく分かりました。

以下、主要な学びを記していきます。

 

1.子ども達にリーダーと認めさせる。

昔と違い、今の子ども達にとっては「担任の先生=上司程度の存在」です。子ども達に舐められてしまうと、学級はすぐに崩壊の道へと進んでいきます。教師はまず子ども達に、学級のリーダーであると認めさせなければなりません。その為に大切なことは以下の3つです。

 

①明確な方針を持つ

クラスのルールについて子どもから何か質問されたときに曖昧にしか答えられないとOUT。教師が常に明確な方針を持ち、絶対に子どものいいなりにならない。

②自信がなくても自信のあるフリをする。

自信なさげなリーダーに子ども達は付いてこない。クラスのリーダーとして常に自信があるフリをする。

③上機嫌でいる。

いつも機嫌が悪いリーダーは嫌われる。どれだけ疲れていても子ども達の前では笑顔で元気に振る舞う。

 

といったことになります。

 

2.策略を持って叱る

教師は学級という一つの国のリーダーであり大統領であり警察でなければなりません。国には安心して生活するための秩序が必要です。その為には駄目なことは駄目としっかり叱ることが求められます。そして叱るときにも、なんの策略も練らずただ一時の感情に従って叱るということを繰り返していると、子ども達の心はどんどん離れていきます。叱る上で大切なことは、本書では以下の3つが書かれてありました。

①怒鳴るのは月に一度

何度も教師の怒鳴り声が響くようは教室は子どもにとって苦痛です。しかし、たまにはそれなりの迫力で怒鳴り叱ることでクラスをシメておく必要があります。「先生は怒ったら怖い」というイメージを持たせておくことで普段の指導が子どもに通りやすくなります。

②多数派に立つ

指導するときは、子どもとの勝負に絶対に勝たなければなりません。その為には叱る対象ではない子ども達を味方に付け、多数派に立つことが大切です。例えば、「先生は〜することは絶対にいけないと思う。他にそう思う人?」と子ども達に問いかけ挙手させることで、一気に子ども達を味方につけることができます。

③褒めることをゴールとして叱る

指導は「点」ではなく「線」として捉えることが大切です。具体的には、

「叱る→良くなる→褒める」という線です。つまり褒める為に叱るということになります。

線を意識することで指導が楽しくなり、教師としての力量が一気に上がると書かれてありました。

 

これらのように、常に策略を練り、計画的に子どもを叱ることが大切です。

 

3.とにかく褒める

叱ることにはそれなりのコストとリスクが伴います。しかし褒めることはリスク0コスト0です。そして褒めれば褒めるほど子ども達は望ましい方向へと進んでいきます。つまり褒めるという戦略を取らないのは非常に勿体ないです。

効果的に褒める為には細かく小さな行動を褒め、望ましい行動を子ども達に意識させることが大切です。

例えば、ノートを移す場面では1人の子どもに「〜さん速い!」「〜さん綺麗!」と褒めることで、他の子どもも褒められたくて真似をするようになります。

また、姿勢が悪い子どもを叱る必要がある場面でも、まずその子の隣の子の姿勢を褒めることで、間接的に気づかせるといった手もあります。

このように、クラスをまとめるには「小さな行動をとにかく褒める」「叱る前に一回褒める」といった戦略が非常に大切になります。

 

4.授業、学級経営のネタをたくさん仕込んでおく。

著者の中村先生は、学級は戦場であると表現しています。何の武器も持たず丸腰で戦場へ向かうと、最終的には「学級崩壊」という敗北が待っています。策略を練るにもネタが必要です。

例えば、面白い授業のネタ、レクリエーション、ミニゲーム、指導方法など、子ども達を楽しませ、動かすためのネタや技術をたくさん蓄えて、手数を増やしておくことが大切です。

 

 

 

以上が本書で得た主な学びの内容です。細かな学びとしては、他にも「4月はミニゲームを大量投下」「実践はとにかく真似をする」「スピードを重視する」など具体的で実践的な学びをたくさん得ることができました。

本書を読んで思ったことは、学級経営に綺麗事は通用しないということです。特に自分のようなヒヨッ子は、まずは「安定」を何よりの目標として、どうしたら荒れを防げるかということを常に頭に入れて授業、生活指導に臨んでいこうと思います。