「自分を操る超集中力」DAIGO
この本は、今まで読んだ本の中でも数少ない、自分に大きな影響を与えたホームラン級の本の一つです。
内容は、仕事や勉強、その他様々な物事に対して高い集中力を発揮する為の、行動、環境づくり、習慣、考え方など具体的な方法について書かれています。
これをすれば誰でも集中力を得ることができるということが科学的根拠に基づいて分かりやすく書かれているので、読みやすく、かつすぐにでも実践できる内容になっています。
ここでは、この本の中でも大きく学んだ集中力を得る為のノウハウを要約して記します。
①「習慣化」と「即断即決」
まずこの本で出てくる重要なキーワードとして「ウィルパワー」という言葉があります。
ウィルパワーとは、前頭葉に存在する「思考や感情をコントロールする力」であり、簡単に表現すると、集中する為に必要とするHPのようなものであると考えて貰えばよいです。
人によってウィルパワーには限りがあり、何かに集中すればするほどウィルパワーは消費され、集中力がなくなっていきます。
つまり、集中力を鍛えるには、
1.ウィルパワーを節約して効率的に消費する
2.ウィルパワーの総力を増やす
という2つのアプローチがあるということになります。今回の記事では1つめのアプローチについて紹介しようと思います。
さて、ではこの「ウィルパワー」はどのような場面で最も消費されるのか。実は、勉強をしたり仕事をしたりしているときではなく、物事に対して「意思決定」をする場面で人間は最も集中力を使い、ウィルパワーを消費しているのです。
例えば、朝起きて何を食べるのか、今日は何をするのか、どんな服を着るのか、など選択と決定を繰り返す中でウィルパワーは消費されていきます。アメリカの大学の研究によると、人は1日の中でこのような意思決定を約70回も行うそうです。また、ショッピングモールなどで一日買い物をして疲れるのは、何を買うか、買うか買わないか、の意思決定を繰り返しているからですね。
つまり、日々の生活の中で意思決定をする場面を減らせば減らすほど、ウィルパワーを節約でき、勉強や仕事、スポーツなど自分にとって重要な場面で高い集中力を発揮できるということになります。
その為に重要なことは、
1.日々の行動を習慣化して意思決定を挟むことなく行えるようにすること
2.物事の決定はなるべく即断即決で決めること
この2つです。
2つ目に関しては、最もしてはいけないこととして「決定の先延ばし」があります。
やらなければならないことや、決めなければならないことを先延ばしにしてしまうと、頭の片隅にそのタスクが残り、別の作業をしている間も脳は無意識のうちにそのことを考え続けてしまうのです。
つまり知らず知らずのうちにウィルパワーを消費していってしまうということです。
このことから、
・決め事は即断即決
・するべきことを先延ばししない
・雑務は即片付ける
ということを徹底し、常に頭をスッキリさせた状態にしておくことが、集中力を高める上で非常に大切になります。
以上が1つ目の内容になります。
②片付け・整理整頓の習慣
集中している状態とは、「一つの対象に意識をフォーカスしている状態」のことです。
つまり、勉強している机の上が関係のない漫画や雑誌、資料などで散らかっていると、勉強の合間にそれら色々な物に意識が移り、自然に勉強に対する高い集中力を保つことができなくなってしまいます。
このことから、集中する為の理想の机の上の状態とは、作業に関係のある物以外が視界に入らない片付いた状態であるということができます。
もっというと、カバンの中や部屋の中、さらには日々の生活から余計な物を減らせば減らすほど、集中すべきことだけに意識を向け、高い集中力を保てるということです。
つまり、片付ければ片付けるほど高い集中力を得ることができるようになります。
この本を読んでから私は、使い終わった物や重要でないものは全て捨て、また部屋の中や机の上、鞄の中は常に整理整頓し、清潔な状態を保つようになりました。
③時間の使い方
集中力は、時間の使い方を工夫することでも自在に操ることができます。
まずは朝の時間の使い方です。
起床後の2〜3時間は人間が最も集中しやすい時間であり、夕方以降とは比べ物にならないほどの集中力・思考力・創造力が発揮されることが分かっています。これは、睡眠で休んだ後は脳に余計な情報が入っておらずクリアな状態であると共に、睡眠によってウィルパワーがMAXまで回復しているからです。
つまり、頭を使う勉強や大事な仕事は、脳がクリアな朝の時間を使って取り組んだ方がいいということになります。
社会人であれば少し早起きをして出勤前にクリエイティブな仕事に取り掛かったり、学生であれば学校に行く前に勉強の時間を作ることで、周りに大きな差を付けることができます。反対に事務的な作業や機械的な作業、暗記系の勉強などは、比較的頭の働きが弱くなる午後に回した方が効率的です。
ちなみに、アメリカのジョージア大学の研究によると、有酸素運動をした後の2〜3時間は、血流が促進されると共に脳内にドーパミンが分泌され、認知能力や考察力・集中力が高まることが分かっています。
つまり、朝早起きをしてジョギングなどの有酸素運動をし、勉強に取り掛かるようにすると、通常とは比較できない超人的な集中力を発揮できる状態へと持っていくことができます。ワンピースで例えると、朝のクリアな脳の状態をギア2、さらに有酸素運動をした後の朝の脳の状態をギア3と表現することができますね。
また他には、作業や勉強の時間を区切ることも効果的です。
極端な例でいえば、締め切り15分前のレポートに取り組んでいるときと、締め切りがずいぶん先のレポートに取り組んでいるときでは、どちらの方が集中して取り組めるでしょうか。
当然、前者の締め切り15分前の方が集中力は高まります。
これは「締め切り効果」といって、デッドラインが明確に定まっていることで、脳が限られた時間内に終わらせようとして集中力が高まるという心理効果です。
つまり、意図的にデッドラインを定め、時間を区切って作業に取り組むことで、集中力を高めることができます。
例えば「〜時までに〜を終わらせる」「〜時間で〜ページ本を読む」など自分で時間を区切ると効果的です。
このように短く時間を区切ることで緊迫感が生まれ作業のスピードは何倍にも高まります。
以上「自分を操る超集中力」の内容を大きく3つのポイントに要約して記しました。
本書ではこれ以外にも環境づくりや睡眠、文房具など集中力に関する様々な工夫が書かれています。どれも実際の研究結果や具体的なエピソードに基づいて述べられているので説得力もあり、実践もしやすいです。
本書の内容から自分に合ったものをいくつか実践していくことで、タイトル通り「超集中力」を手に入れることができると思います。
是非一読をお勧めします。