読書アウトプット記録

本から学んだ内容をアウトプットすることで自分自身の記憶に深く落とし込むことを目的としています。

2022①「特別支援教育のノウハウを生かした学級作り」

現在通常学級の中にも10人に1人の割合で

特別な支援を要する児童が在籍していると言われています。

また特別支援教育の指導方法は、発達障害の有無に関わらず

全ての子どもに有効的な指導方法であるとも言われています。

何故なら発達障害の子どものもつ特性は、大なり小なり誰もがもつ

特性でもあるからです。

そこで本書では通常学級でも特別支援学級でも使える、

特別支援教育の視点を生かした子どもとの関わり方や、

指導法について書かれています。

 

1.問題行動への対応

通常学級でも支援学級でも子供の気になる行動に出会う場面がたくさんあると思います。

例えば、

・思い通りにならないことがあったら教室から出ていく。

・授業中に勝手なおしゃべりや発言がある。

・友達とトラブルになるとすぐに手が出てしまう。

そんな様々な問題に対して、本書では一貫して次のような考え方が大切であると書かれてあります。

①効果のない指導方法は変える。

問題行動がずっと続くようであれば、指導方法や関わり方が間違っているという

ことです。結果に注目して、子どもの行動が変わらないようであれば

今している指導方法を見直して、別の方法を試すということが大切になります。

②「~しない」よりも「~しよう」

例えば、授業中おしゃべりをしている子に対して、

「おしゃべりはやめなさい」と注意するよりも、

「教科書のここを読んで」や「前に来てちょっと手伝って」など、

別の行動を促しておしゃべりをやめられるようにします。

そして指示通りにできたら「ありがとう」「よくできたね」と褒めるのです。

このように気になる行動1つ1つに注意していくのではなく、

代わりになる望ましい行動を促して褒めるようにしていくことで、

子どもの自己肯定感を高めながら良い行動を増やしていけるようになります。

➂応用行動分析学の考え方

これが本書で一番何度も繰り返して言われていた重要な考えであると思います。

応用行動分析学とは、

子どもの行動が環境との相互作用によって強化されたり消去されたりするという考え方のことです。

分かりやすくいうと褒めた行動は増え、褒めなかった行動は減っていくということです。応用行動分析学では、子どもの行動の前後に着目します。

例えば、

 

勉強が分からない→暴れる→先生が優しく慰めてくれる

 

というケースでは、「暴れる」ことによって、先生が優しく慰めてくれるという

プラスの反応を得ることができているので、今後も

難しい問題に出会った際にこの子は「暴れる」という行動をとることになります。

一方で、

 

勉強が分からない→暴れる→別室に連れていかれて落ち着くまで一人でクールダウン→クールダウンできたことを褒められる

 

という対応を取った場合では、「暴れる」という行動には反応せず、

クールダウンできたことに対して反応しているので、暴れる行動は減り、

クールダウンするという行動が増えていくことになります。

 

このように気になる行動には、

「何が原因か」「その行動によって、何を得ているのか」

というように前後に着目して対応を考えることがとても大切です。

そして、良い行動に注目して悪い行動は無視する

ことを一貫して続けていくことで、良い行動を増やしていくのです。

 

2.その他の細かい学び

①指導も褒めも、「何のためにしているのか」ということも明確にして、

子どもにそれを伝える。

②意地でも子どもを褒める。何を褒めるのか事前に考えておく。

➂問題行動を起こさせないために、活動の前には必ず「どんな行動が望ましいのか」

ということを事前指導しておく。

 

以上が本書の学びです。

特別支援に関する本には、ほとんど100%の確率で

応用行動分析学の話が登場してきているように感じます。

それほど特別支援教育の世界で注目されている指導方法なんだと思います。

シンプルに、

・良い行動は注目

・悪い行動は無視

・悪い行動によってその子が得をしていないか

・悪い行動の原因は何か

という考えを意識して子どもと関わっていけるようにしたいと思います。