読書アウトプット記録

本から学んだ内容をアウトプットすることで自分自身の記憶に深く落とし込むことを目的としています。

「学級経営10の原理・100の原則」堀裕二

この本は、教師として安定した学級経営をしていく為の基本的な指導原則について書かれてあります。

向山洋一先生の「授業の腕をあげる法則」と内容が似ているところもありましたが、実際の場面を想定してかなり具体的に書かれてあるので学びも多かったです。

 

1.まずは当たり前のことを徹底する。

教師になるに向けて教育書を読んだり、SNSで色々な先生方の発信を見たりする中で、たくさんの面白そうな実践に出会います。

しかし教師になっていきなりそのような特殊な実践にあれもこれもと手を出すのではなく、まずは当たり前のことを当たり前のようにできるよう努めることが大切であると学びました。

実際の教育現場を経験したり色々な本を読む中で感じたことは、20〜40人の子ども集団を統率し安定した学級を作ることは本当に大変で難しいということです。

教師になったら、まずは「安定した学級」を目標にし、全力で基礎を徹底していきたいです。

 

2.一時一事の原則

これは一度に一つの指示しかしないという指導の原則です。

一度に複数の指示をすると、全ての子どもに指示が正確に行き渡らなくなります。

結果、

することが分からない→遊んだり話したりする→教師に叱られる→荒れる

という悪循環が生まれます。

この悪循環を予防する為には、指示を一つ一つ丁寧に子どもに与えていくことが重要です。一つの指示が全員に行き届いたことをしっかりと確認してから、次の指示を与えるようにします。

これが一時一事の原則です。

 

3.役割分担をする

荒れを予防するには、荒れの原因を排除するシステム作りが大切になります。

例えば教室では、

・掃除の時間に誰が何を担当するのかを決めるのに時間がかかり、次第に何人かの子どもが遊びだす。

・班学習の時間に誰が最初に発表するのかが決まらず、関係のない話を始める。

といった場面がよく見られます。

これは子どもだけではなく、一人一人の役割を明確にできていないクラスのシステムにも原因があります。

そこで、掃除や給食当番、グループ活動など、子どもに何か作業や活動をさせるときは、事前に全員の役割を明確に決めておく必要があります。

例えば掃除では、「〜班は廊下掃除」「〜は教室掃除」といった役割分担だけではなく、班の中であらかじめA.B.C.Dを決めておき、「〜班のA.B.は箒、C.Dは窓」といったように明確に役割分担をすることで、子どもは迷うことなくスムーズに自分の仕事に取り掛かることができます。

このように、荒れを予防するためには一つ一つその場で指導していくだけではなく、「どのような場面でクラスは騒がしくなるのか」ということを考え、その原因を排除する為の仕組みを作るといっあアプローチがあることを学びました。

 

4.ルール変更は全員に伝える

学級を統率する為には、その学級の明確なルールのもと徹底した指導をしていく必要があります。

しかしときには、そのルールを変更しなければならない場面があります。そのときに特定の児童にだけルール変更を許可し、その他の児童に伝えていないと荒れの原因になります。

例えば、「給食の時間は班で食べる」というルールがあったとします。しかしある班で欠席者が多く、2人で食べなければならなくなりました。そこで子どもから隣の班の繋げて食べていいかと聞かれ、教師の判断で特別に許可することにしました。

もしこの場面で、もしその子どもにだけそのことを伝えていると、

A「給食の時間は班で食べなければダメだって先生が言ってたよ。」

B「でも、さっき先生に聞いたらいいって言われたもん」

A「みんなには駄目だって言ってたのに。Bの班だけずるい」

という会話になり、結果教師への不信や子ども同士の争いに繋がる可能性があります。

このような事態を予防する為には、許可する際に一度全員の前で、

「Bさんからこのようなお願いがあったので特別に許可をします。前に先生は給食は班で食べなければならないと皆んなに話をしましたが、欠席者が多く2人以下になった場合は特別に隣の班と繋げて食べてもいいことにします。」

と全員にルール変更を伝える必要があります。

このようにルールを変更する際は必ず全員に伝えるようにすることで、子ども間に不公平を生まないことが、荒れを予防する為には大切になります。