読書アウトプット記録

本から学んだ内容をアウトプットすることで自分自身の記憶に深く落とし込むことを目的としています。

「ケンカ仲裁の原則」-渡辺善男-

子どもはとにかくケンカをする生き物です。

「何故同じような理由でそんなにケンカができるのか」と笑ってしまうくらい、子どもは毎日ケンカをします。

しかし、放っておいたからといって子ども同士ですぐに解決できることは少ないです。

親や教師が「大人」という落ち着いた立場から仲介に入り、仲を取り繕う必要があります。

そんな「ケンカの仲裁」をスムーズに行うことができる力は教師にとって必須です。

今回はそんなケンカの仲裁の原則についてまとめられた本について紹介します。

 

 

○事実だけを確認する

なんで喧嘩になったのか双方の主張を聞いてる中で、一方の「感情論」や「思い込み」が入り込むと事態はどんどんややこしくなっていってしまいます。

喧嘩を仲裁するときは、「何があったのか」「誰が何をしたのか」という事実だけを確認することが大切です。

そして起こった事実に基づいて、

「〜さんは〜をしてしまったのだから謝ろう」「〜さんも〜をしたことに謝ろう」

と、双方に謝らせることで事態は解決に向かいます。

また、ここで重要なのは、

喧嘩は何があっても両成敗

ということです。

例えどちらかが「99:1」で悪いという状況でも、謝ったのが一方だけだと必ず子ども間にしこりが残ります。

先程述べたように、起こった事実だけを確認し、双方に謝らせ両成敗で終わらせることが大切になります。

 

○1人ずつ話を聞く

喧嘩が起こった際、当事者たちは当然かなりヒートアップしています。

そんな中で「どうしたの?」と話を聞くと、両方の主張が入り混じりとても事実の確認などすることができません。

そこで、喧嘩の仲裁は

「1人ずつ話を聞く」

ことが鉄則になります。

「まず Aさんの話を聞きます。Bさんは後で聞くからちょっと待っててね」

と、1人ずつ話を聞くことで、冷静に事実を確認することができます。

 

○謝ろうとしない子への対応

悪いことは分かっていても、意地を張りどうしても謝ることができない子が時々います。

一方だけが謝ることができないと、不公平になりケンカは解決できません。

そこで本書では、2つの対応が紹介されています。

1つ目は「ほんのちょっと論」を使うことです。

事実を認めず謝ろうしたしないときは、

「ほんのちょっとバカにした表情をしなかった?」

「ほんのちょっと嫌なことをしなかった?」

と問いかけます。

「ほんのちょっと」という言葉を使うと、大抵の場合子どもは「うん」と頷くと思います。

悪いことは子どもも自覚しているからです。

そうしたら、

「じゃあそのほんのちょっとの分だけ謝ろう」

と促すことで、謝れるようになると思います。

2つ目は「半強制的にうなずかせる」という少し荒手の方法です。

1つ目の「ほんのちょっと論」を使ってもどうしても謝れるない場合は、

「本当は悪いと思ってるんだよね?」

「ごめんねって思ってるんだよね?」

と語りかけます。

子どもが「うん」と頷けば、それで両成敗の形を取ることができるはずです。

とにかく、謝罪の形を残して、しこりを残さないことが大切です。

 

 

以上が本書の内容です。

本書を読み、喧嘩仲裁の理想的な形が具体的にイメージできました。

喧嘩が起きたら、

1.1人ずつ話を聞く

2.事実だけ確認する

3.事実に対して双方に謝らせる

という流れで進めることで、スムーズに解決できるようになると思います。

いつもいつもこの形ですんなりいく訳ではないと思いますが、一つの「原則」として意識しておく必要はありますね。